風営法違反の罰則一覧│無許可営業・無届・名義貸しの罪と処分

最終更新:2026年7月/ 一般的な解説であり、個別事案の結果を予測するものではありません。この記事は、責めるためではなく、是正の道筋を示すために書いています。

「うちがやられたら、何罪で、どのくらいなのか」——摘発の報道を見て、ここに来た方が多いはずです。

先に、全体の構造を示します。風営法違反では、刑事罰と行政処分が、別々に来ます。

違反類型 刑事罰 行政処分 将来への影響
無許可営業(風俗営業) 最も重い部類 —(そもそも許可がない) 欠格事由 → 一定期間、許可が取れない
無届営業(性風俗関連) あり 営業停止命令等 同上
名義貸し あり(貸した側・借りた側の双方) 許可取消し 同上
禁止区域営業・時間規制違反 あり 営業停止・取消し 同上
年少者(18歳未満)関連 最も重く扱われる 取消しに直結し得る 業界からの退場
広告宣伝規制違反 あり 指示・停止

「刑事で不起訴になったから、行政処分もない」——これは成り立ちません。

刑事罰と行政処分は、独立して判断されます。刑事では起訴されなくても、行政処分は来ます。逆もあります。二重に来るという前提で考えてください。

刑事罰の一覧

無許可営業(風俗営業1〜5号・特定遊興飲食店営業)

許可を受けずに風俗営業を営んだ場合。風営法違反の中でも重い部類に位置づけられています。

誰が問われるか 典型的な構図
営業者(オーナー・経営者) 当然の対象
実質的な経営者 名義上は別人でも、実際に経営していれば対象になり得る
店長 行為者として立件される構図が現実にある
法人 両罰規定により、法人にも罰金が科され得る

悪質な事案——長期間の営業、大きな収益、警告を無視、組織的な運営——では、併科(拘禁刑と罰金の両方)や、法人への高額な罰金という扱いになり得ます。

刑事罰の「重さ」をどう読むか

法定刑の数字だけを見ても、実感が湧かないはずです。実務的な重さは、次の3軸で測ってください。

意味
①身柄 逮捕・勾留されるか。事業は、あなたが不在の間も回りますか
②押収 PC・スマホ・帳簿が持っていかれる。有罪判決の前に、事業は止まります
③前科 罰金でも、前科は前科。欠格事由として、将来の許認可に跳ね返る

「罰金なら払える」という発想の落とし穴

罰金は、失うものの中で最も小さい部分です。

捜査が始まった時点で、PCは押収され、決済は止まり、取引先は離れ、従業員は去ります。有罪になるかどうかを待つ前に、事業は死んでいます。

だから、風営法違反のリスクは「捕まるかどうか」ではなく「捜査の対象になるかどうか」で考えるべきです。

無届営業(性風俗関連特殊営業)

届出をせずに、店舗型・無店舗型・映像送信型の性風俗関連特殊営業を営んだ場合。

「届出だけなのに、罰則がある」という非対称性

届出制は、許可制と比べて入口が軽い制度です。事前審査がなく、書類を出せば受理される。だから、多くの事業者が「大したことではない」と考えます。

しかし、出さなければ罰則があります。そして、行政処分もあります。入口は軽く、出口は重い——これが、この類型の本質です。

特にアダルトサイト・ライブチャットの運営者は、そもそも風営法の対象だと知らないまま無届で営業していることが多い。悪意はありません。しかし、知らなかったことは、義務を免れる理由になりません。
→ 自分は届出が必要か / 届出の手続き

名義貸し

解説が薄いわりに、実務で頻出する類型です。ここは厚く書きます。

風営法は、自分の名義で他人に営業させることを禁止しています。「許可を持っている人に、名前だけ借りる」という構図です。

立場 問われること
名義を貸した側 名義貸しの禁止に違反。許可の取消しという重い処分に直結し得る
名義を借りた側 実質的には無許可営業をしている状態と評価され得る

「実質経営者」はどう認定されるか

名義貸しの事案では、「本当に経営しているのは誰か」が問われます。認定に影響し得る要素は、次のようなものです。

  • 誰が資金を出しているか:開業資金、運転資金の出所
  • 誰が利益を得ているか:売上がどこに流れているか
  • 誰が指揮命令しているか:従業員は誰の指示で動いているか
  • 誰が意思決定しているか:出店、価格、人事
  • 名義人は、実際に店にいるか

「名前を貸すだけだから」——それは、あなたが営業者になるということです。

知人に頼まれて名義を貸した。実際の運営はその人がやっている。自分は関与していない。——法的には、あなたが営業者です。

そして、その店が違法なことをすれば、あなたの許可が取り消され、あなたに前科がつき得ます。報酬として月に何万円かをもらっていたとして、それに見合うリスクでしょうか。

禁止区域営業・時間規制違反

  • 禁止区域営業:営業が禁止されている区域(住居集合地域、学校・病院等の周辺)での営業
  • 時間規制違反:営業時間の制限に違反した営業

特に、許可を取った後に周辺環境が変わったケース(近くに保育園ができた等)や、「1号許可を取ると深夜0時以降営業できない」ことを理解していないまま営業を続けるケースが典型です。

年少者(18歳未満)関連

この類型だけは、次元が違います。

18歳未満の者を客として立ち入らせた。18歳未満の者を接客業務に従事させた。18歳未満の者を映像に出演させた。

刑事罰の重さもさることながら、行政処分は許可取消しに直結し得ます。そして、「知らなかった」という抗弁が最も通りにくい領域でもあります。

年齢確認の体制がないこと自体が、過失を推認させます。「見た目で判断した」「本人が20歳と言った」——これでは足りません。
年齢確認義務の実務

広告・宣伝規制違反

見落とされがちですが、広告にも規制があります。清浄な風俗環境を害する方法での広告・宣伝、届出をしていない者による広告——これらは処罰の対象になり得ます。

SNS運用も、営業者による広告です。「外注のSNS担当が勝手にやった」は通りません。
→ SNS運用と広告規制の交差

行政処分の一覧

刑事罰とはまったく別のルートで来ます。

段階 内容 事業への影響
①指示 改善を指示される 従えば済む。ここで止められるかが分岐点
②営業停止命令 一定期間、営業ができない 売上ゼロ。家賃・人件費だけが出ていく。多くの店はここで潰れる
③許可の取消し 許可そのものを失う 営業の終わり。そして、次の許可も取れない

営業停止が事業を殺す理由

営業停止命令の恐ろしさは、罰金とは比較になりません。

罰金は、一度払えば終わります。しかし営業停止は——

  • 売上がゼロになる。しかし、家賃も、リース料も、人件費も止まりません
  • 従業員が離れる。給料が出ない期間を待ってくれる人は、多くありません
  • 客が離れる。再開したときには、常連は別の店に移っています
  • 信用を失う。取引先、大家、金融機関

「営業停止◯日」という処分は、実質的に「廃業しろ」という意味になることがあります。

量定基準(処分の相場)は公表されている

意外に知られていませんが、各都道府県の公安委員会は、行政処分の量定基準を公表しています。どういう違反に、どの程度の処分がなされるかの目安です。

これは、事業者にとって重要な情報です。自分の状況が、どの程度の処分に相当し得るのかを、事前に見立てることができるからです。

量定基準の探し方:各都道府県警察のサイトで「風俗営業 行政処分 基準」等で検索。基準は改定されるため、最新版を確認すること。

営業停止命令を受けたら

処分を受けてしまった場合、何ができるのか。ここを書いている記事は、ほとんどありません。

やること ポイント
処分の内容を正確に把握する 停止の対象範囲(全部か一部か)、期間、いつから
「停止」の範囲を確認する 停止されるのはその営業です。飲食店営業として何ができるか、できないかを正確に確認する。勝手に判断して営業を続けると、処分違反になります
従業員への説明 給与、雇用の維持。ここで従業員を失うと、再開できません
取引先・大家への説明 隠すと、後で信用を失います
原因の除去 処分の原因になった行為を、確実に止める。再犯は、次は取消しです

処分歴は、次に効きます。

1回目は指示。2回目は営業停止。3回目は取消し——という具合に、処分歴は累積して重くなります。

「今回は軽い処分で済んだ」と安心してはいけません。次に同じことをすれば、次の段階に進みます。

取消し後の欠格期間

許可を取り消されると、一定期間、新たに許可を受けられなくなります。

これは、「その期間、この業界で営業できない」ということです。別の店で再起することもできません。実質的な業界追放です。

そして、法人の役員に欠格事由に該当する者がいれば、その法人も許可を受けられません。過去に取り消された人を役員に入れた——それだけで、新会社の許可が下りなくなります。

よくある「無自覚な違反」パターン

摘発される事業者の多くは、悪意を持って法を犯しているわけではありません。知らなかった。あるいは、大したことではないと思っていた。

パターン 何が起きているか
アダルトサイトを運営しているが、風営法の対象だと知らない 無届営業。最も多い。「ネット事業に風営法?」と思っている → 該当性の判断
コンカフェで、深夜届出だけで営業している 接待に当たる行為をしていれば、1号の無許可営業 → 接待の境界線
1号許可を取ったが、深夜も営業している 時間規制違反。「許可を取ったから何時まででもいい」と誤解している
アダルトグッズをネット通販している 無店舗型性風俗特殊営業2号の無届。「ただのネット通販」と思っている
サイトを増やしたが、変更届を出していない 届出事項の変更届漏れ。ドメインを取る前に確認が必要
知人に名義を貸している 名義貸し。「名前だけだから」と軽く考えている
役員が交代したが、届け出ていない 変更届漏れ。新役員が欠格事由に該当していれば、さらに深刻
SNSの集客投稿が過激化している 広告規制違反。そして、摘発の端緒になります

この表を見て、1つでも当てはまったら。

それは、今日の時点では「まだ何も起きていない」だけです。そして、何も起きていない今が、いちばん安く直せるタイミングです。

次章から、是正の進め方を書きます。

両罰規定|法人・従業員・オーナーの責任範囲

両罰規定とは

違反行為をした個人(行為者)と、その法人の両方が罰され得る——これが両罰規定です。

罰される者 内容
行為者(個人) 実際に違反行為をした人。店長、担当者、経営者
法人 その法人にも罰金刑が科され得る

「法人でやっているから、個人は関係ない」——逆です。個人も、法人も、両方が対象になります。

従業員・出演者はどこまで責任を負うか

ここは、不安を抱えている人が多い論点です。誠実に答えます。

従業員が当然に処罰されるわけではありません。

判断に影響し得る要素は、次のようなものです。

  • 知情性:違法な営業だと知っていたか。「知らなかった」が信じられる状況か
  • 関与の深さ:単に接客していただけか、運営に関わっていたか
  • 地位:意思決定に関与できる立場だったか
  • 利益:売上に連動する報酬を得ていたか

単にアルバイトとして接客していただけの人が、当然に立件されるわけではありません。過度に不安になる必要はありません。

ただし、「雇われ店長」は別です。

店長として現場を仕切り、シフトを組み、売上を管理していた——この立場の人は、行為者として立件される構図が現実にあります。

そして、オーナーが「自分は関与していない」と主張し、店長だけが罪に問われるという結末も起こり得ます。

店長という肩書を引き受けることの意味を、軽く見ないでください。その店が適法かどうかは、あなた自身の問題です。

摘発の流れ|立入りから逮捕まで

摘発には、大きく2つのパターンがあります。

パターンA:行政ルート(段階的)

段階 何が起きるか やるべきこと
①立入り 警察官が営業所に立ち入り、営業の状況を確認する 拒否できません。拒否・妨害は処罰の対象
②警告・指導 問題点を指摘され、改善を求められる ここが最後のチャンス。直ちに是正する
③処分・摘発 改善されなければ、処分または摘発へ

立入りへの対応

拒否はできません。しかし、「立入りに応じること」と「その場で何でも答えること」は別です。

  • 事実と異なる説明はしない——虚偽の説明は、それ自体が問題になります
  • 分からないことは、分からないと言う——推測で答えない
  • その場で書面にサインを求められたら、内容をよく読む
  • 専門家に相談する時間を求める——即答を強いられる筋合いはありません

摘発の端緒は、どこから来るか

「なぜ、うちが」——摘発された事業者は、必ずそう言います。端緒は、次のようなところから来ます。

端緒 実態
元従業員・元関係者からの情報 最も多い類型の一つ。報酬でもめて辞めた人、解雇した人、切った取引先。あなたの内部を知っている人です
近隣からの通報 騒音、客の出入り、迷惑行為。近隣対策を怠ると、そこから来ます
SNS・口コミサイトの監視 過激な集客投稿、口コミに書かれた実態。自分の宣伝が、証拠になります
他事件からの派生 取引先や同業者が摘発され、そこから芋づる式に
内偵(客を装った調査) 実際にサービスを受け、実態を確認する
サイバーパトロール ネット事業の場合、公開されているサイトそのものが監視対象です

「元関係者からの情報」を、リスク管理として捉えてください。

報酬を踏み倒した相手。理不尽に解雇した従業員。約束を破った取引先。その人たちは、あなたの事業の内部を知っています。

これは倫理の話であると同時に、純粋なリスク管理の話です。契約を書面にし、約束どおり払い、関係を丁寧に終わらせる——それが、結果として最大の防御になります。

パターンB:内偵ルート(いきなり摘発)

警告も指導もなく、ある日突然、摘発される——このパターンも存在します。

背後にあるのは、長期間の内偵です。客を装った調査、SNSの監視、通報の蓄積、元従業員からの情報。「今まで何も言われていないから大丈夫」は、まったく安全の証明になりません。

逮捕後の刑事手続き(取調べ対応、勾留、起訴・不起訴)は、弁護士の職務領域です。本記事では扱いません。すでに捜査が始まっている段階の方は、速やかに弁護士にご相談ください。

違反状態に気づいたら|是正の進め方

この記事の出口です。

ここまで読んで、「うちは違反しているかもしれない」と思った方へ。責めるつもりはありません。多くの違反は、悪意ではなく、知らなかったことから始まっています。

そして、多くの場合、是正できます。

ステップ1:現状を正確に把握する

  • 自分の営業は、どの区分に当たるのか → 風営法の種類一覧
  • 必要な許可・届出は何か。取っているか
  • 取っていないなら、いつから、どのくらいの規模で営業しているか
  • 他に違反していることはないか(年少者、広告、名義)

ここで、都合の悪いことから目をそらさないでください。後から出てくるほうが、はるかに悪い結果になります。

ステップ2:是正の方向を決める

選択肢 向いているケース
①届出・許可を取得する 映像送信型のように、場所の規制がなく、要件を満たせば適法化できる類型 → 届出手続き
②営業形態を変更する 接待をやめる、深夜営業をやめるなど、許可が不要な形に設計し直す → コンカフェの場合
③業態そのものを見直す 店舗型のように、適法化の道がない場合 → メンズエステの場合

ステップ3:是正までの営業をどうするか

ここが、最も難しい判断です。

「届出を出すまで、営業を止めるべきか」——止めれば収入が絶たれる。続ければ違反が続く。

この判断に、一般論での正解はありません。営業の類型、規模、これまでの期間、他の違反の有無によって、取るべき道が変わります。

ただし、一般論として言えることが一つあります。自主的に是正に動いたという事実は、その後の評価において意味を持ち得ます。指摘されてから慌てて動くのと、自ら気づいて是正するのとでは、状況が違います。

だからこそ、書類を作り始める前に、順序を相談してください。順序を誤ると、届出の窓口で説明に窮します。

相談の前に、整理しておくこと

専門家に相談する際、次の情報があると、話が早く進みます。すべて揃っていなくても構いません。

項目 なぜ必要か
営業の実態(何を、どういう形で提供しているか) 区分の判断に直結します。ここを正確に伝えないと、間違った助言になります
いつから営業しているか 是正の順序に影響します
取得している許可・届出 飲食店営業許可だけなのか、何もないのか
物件の状況 用途地域、賃貸借契約の使用目的。許可が取れる場所かどうかが決まります
従業員・出演者の年齢 18歳未満が関わっていないか。ここは最優先で確認
すでに警察から接触があったか あるなら、状況がまったく違います

「都合の悪いことを隠して相談する」のが、最も損です。

専門家に良く見られたい、という気持ちは分かります。しかし、不正確な情報を前提にした助言は、あなたを守りません。

そして——相談内容が外に出ることはありません。安心して、事実を話してください。

是正が間に合った例・間に合わなかった例

以下は、相談傾向をもとにした一般化・創作例です。特定の事案ではありません。

例1:間に合った

アダルト動画の有料サイトを3年運営。税理士に「風営法の届出は?」と聞かれて初めて、対象だと知った。その時点では、警察からの接触はなし。

事務所の要件を確認し、書類を揃え、届出を提出。受理された。その後、決済代行の審査でも届出確認書が効き、契約を継続できた。

ポイント:「まだ何も起きていない」うちに動いた。これが、すべてでした。

例2:間に合わなかった

コンカフェを2年運営。深夜酒類提供の届出のみで、接待に当たる行為(客の隣に座って継続的に談笑、ゲーム)を日常的にしていた。「カウンター越しだから大丈夫」と信じていた。

近隣店の摘発を見て不安になったが、「うちは大丈夫だろう」と先送り。3か月後、SNSの集客投稿が端緒となり、無許可営業で摘発された。

ポイント:不安を感じた時点が、最後のチャンスだった。その3か月で、営業形態を変更するか、1号許可を取るか——選べたはずでした。

2つの例の違いは、能力でも運でもありません。

「不安を感じたときに、動いたかどうか」——それだけです。

あなたがこの記事を読んでいるということは、何かを感じているということです。その感覚は、多くの場合、正しい。

前科がつくとどうなるか|欠格事由への跳ね返り

この記事で、最も伝えたいことです。

風営法違反の前科は、「一定期間、この業界で営業できない」ことを意味します。

罰金を払えば終わり、ではありません。欠格事由として、将来の許可・届出に跳ね返ります。

影響 内容
本人 一定期間、許可を受けられない。別の店で再起することもできない
法人 役員に欠格事由該当者がいれば、その法人は許可を受けられない
他の許認可 前科は、風営法以外の許認可(古物商、建設業等)にも影響し得る
取引 報道されれば、銀行、大家、取引先の判断に影響する

目先の罰金より、この将来影響のほうが重い。

「罰金なら払える」と考える経営者がいます。しかし、その後、あなたはこの業界で許可を取れません。数年間、事業を再開できない。役員として名前を貸すこともできない。

失うのは、金ではなく、時間と将来の選択肢です。

よくある質問

Q1. 初犯でも逮捕・実刑はありますか?

個別の予測はできません。一般論として、悪質性の要素——規模、継続期間、収益、年少者の関与、組織性、警告を無視したか——が重なるほど、扱いは重くなります。逆に、規模が小さく、警告を受けて直ちに是正した場合は、扱いが変わり得ます。ただし、刑事の結論がどうであれ、行政処分は独立して来ます。

Q2. バイトで働いていただけでも罪になりますか?

従業員が当然に処罰されるわけではありません。知情性・関与度・地位によって評価されます。単に接客していただけの人が当然に立件されるわけではないので、過度に不安になる必要はありません。ただし、雇われ店長が行為者として立件される構図は現実にあります。

Q3. 警察の立入りは拒否できますか?

できません。立入りを拒んだり妨げたりする行為は、処罰の対象とされています。ただし、立入りに応じることと、その場で何でも答えることは別です。事実と異なる説明はせず、分からないことは分からないと述べ、必要なら専門家に相談する時間を求めてください。

Q4. 摘発されたら店の名前は公表されますか?

行政処分の公表制度と、報道は別の話です。行政処分については公表の仕組みが設けられている場合があります。報道されるかどうかは、事件の性質と社会的関心によります。実務上、報道の影響のほうが大きいことが多く、一度検索結果に残れば、事実上、半永久的に残ります。

この記事を、脅しとして読まないでほしい

ここまで、重い話ばかり書いてきました。刑事罰、営業停止、許可取消し、前科、業界からの退場。

しかし、この記事の目的は、あなたを怖がらせることではありません。

伝えたいのは、たった一つです。

「多くの違反は、是正できます。そして、気づいた今が、いちばん安い。」

無届のアダルトサイトは、今からでも届出を出せます。グレーなコンカフェは、営業形態を設計し直せます。名義貸しは、今日やめられます。

それらは、摘発される前なら、ただの手続きです。摘発された後なら、刑事事件です。間にあるのは、時間だけです。

この業界で長くやっている経営者ほど、「グレーなのが普通」と考えています。周りもそうだから。今まで何も起きなかったから。

しかし、何も起きなかったのは、順番がまだ来ていないだけです。そして、順番が来たときに失うものは、あなたが積み上げてきたもの全部です。

今日、動いてください。それが、いちばん安い選択です。

「知らなかった」で済まないが、「知らなかった」は責められない

最後に、一つだけ。

法律を知らなかったことは、義務を免れる理由になりません。これは、淡々とした事実です。

しかし、知らなかったことは、恥ではありません。

アダルトサイトの運営に風営法がかかることを、誰が教えてくれるでしょうか。コンカフェの接待の線引きを、開業支援サービスが説明してくれるでしょうか。多くの事業者は、誰からも教わらないまま、事業を始めています。

そして、知った時点で動く人と、知っても先送りする人が分かれます。結果を分けるのは、知識ではなく、行動です。

あなたは、いま知りました。ここから先は、選択です。

なお、本記事に記載した違反類型・処分の流れは、一般的な整理です。実際の量刑や行政処分は、営業の規模、期間、態様、是正の有無など、個別の事情によって大きく変わります。本記事は、個別の事案について結果を予測するものではありません。また、行政処分の量定基準は各都道府県の公安委員会が公表しているため、自らの状況に照らして確認することができます。

また、本記事では刑事手続きそのもの(取調べへの対応、勾留、起訴・不起訴の判断)については扱っていません。これらは弁護士の職務領域です。すでに捜査が始まっている段階の方は、この記事を読み進めるより、速やかに弁護士へ相談してください。初動の対応が、その後を大きく左右します。

まとめ

  • 刑事罰と行政処分は、独立して来る。不起訴でも処分は来る
  • 営業停止は、罰金とは比較にならないダメージ。実質的に廃業を意味することがある
  • 名義貸しは、貸した側も借りた側も罪に問われる。「名前だけ」は成立しない
  • 年少者関連は次元が違う。「知らなかった」は通らない
  • 従業員が当然に処罰されるわけではないが、雇われ店長は行為者になり得る
  • 最も重いのは、前科による欠格。一定期間、この業界で営業できなくなる
  • そして——多くの違反は、是正できます。気づいた今が、いちばん安い

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「今のままではまずい気がする」——その感覚を持てている時点で、まだ間に合います。

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当事務所は予防法務・是正支援の範囲で対応します。すでに逮捕・立件されている段階の刑事弁護は、弁護士の職務です。必要に応じてご案内します。

※本記事は2026年7月時点の一般的な解説です。量刑・処分は個別の事情によって異なり、個別の予測はできません。