映像送信型性風俗特殊営業の届出方法│必要書類・費用・流れ【行政書士】

最終更新:2026年7月/ 本記事は東京(警視庁管内)での一般的な取扱いを前提としています。運用には地域差・時期差があります。

アダルト動画の有料配信サイトやライブチャットサイトを運営する場合、風営法上の映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要になります。検索では「アダルトサイト 運営 許可」と調べる方が多いのですが、これは許可制ではなく届出制です。審査に通るのを待つ制度ではありません。

どこに 営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する警察署(生活安全課)経由で公安委員会
いつまでに 営業を開始する前。事後届出ではありません
いくらで 届出自体の手数料は原則不要。実費(住民票等)+行政書士に依頼する場合の報酬

この記事は手続き編です。「そもそも自分は届出が必要なのか」という該当性の判断は、アダルト配信に風営法の届出は必要?個人配信者の該当基準で場合分けしています。先にそちらで「必要」と判断できた方が、この記事で手を動かす、という流れを想定しています。

映像送信型性風俗特殊営業とは|対象になる事業の範囲

風営法は、この営業を次のような趣旨で定義しています。専ら性的好奇心をそそるため、性的な行為を表す場面や衣服を脱いだ人の姿態を写した映像を見せる営業であって、電気通信設備を用いて客にその映像を伝達するもの。条文の言い回しは硬いのですが、要素に分解すると判断しやすくなります。

要素 意味するところ
専ら性的好奇心をそそるため コンテンツの主たる性格が性的なものであること。教育・医療・報道目的の映像とは区別される
性的な行為/裸体の映像 性行為の場面、または衣服を脱いだ姿態。修正の有無は問わない
電気通信設備で伝達 インターネットによる配信・ダウンロード販売・ライブ配信。自動公衆送信が典型
営業 反復継続して、営利の目的で行うこと。1回限りの単発販売とは区別される

典型的には、有料アダルト動画サイト、アダルト画像・動画のダウンロード販売サイト、ライブチャットサイトの運営がこれに当たります。届出義務を負うのは「営業を営む者」、つまりサイトを運営して対価を得ている主体です。プラットフォームに出演・出品しているだけの個人と、プラットフォーム自体を運営している事業者とでは立場が異なります。

この記事は「どう出すか」に集中します。有料か無料か、自社サイトかプラットフォームかで結論が変わり得る「そもそも自分に届出義務があるのか」という判断は、次の記事に集約しています。

すでに「自分は届出が必要」と分かっている前提で、以下を読み進めてください。

店舗型との決定的な違い:場所の規制がない
店舗型性風俗特殊営業(いわゆる店舗型風俗店)は禁止区域規制があり、新規開業は事実上不可能です。これに対して映像送信型は禁止区域規制がなく、要件を満たせば届出のみで適法に営業できます。「性風俗特殊営業=もう新規参入できない」という思い込みで無届のまま営業を続けている事業者がいますが、映像送信型はそうではありません。是正の道が開いている類型です。

届出の流れ5ステップ

STEP やること 所要目安
該当性と欠格事由の確認 1日〜
書類の準備・収集 1〜2週間
所轄警察署(生活安全課)へ提出 当日(要予約が無難)
受理・公安委員会への進達 → 届出確認書の交付 数日〜2週間程度
営業開始/以後は変更届・遵守事項の履行 継続

①該当性と欠格事由の確認

最初に確認すべきは、自分(法人の場合は役員全員)が欠格事由に当たらないかです。一定の前科がある場合、破産手続開始の決定を受けて復権していない場合などは、届出をしても営業できません。ここを飛ばして書類を揃え始めると、収集した書類がすべて無駄になります。役員が複数いる法人では、代表者だけでなく全役員について確認が必要です。

②書類の準備・収集

実務上、いちばん時間がかかるのがこの工程です。住民票は本籍地の記載が必要になるため、通常のコンビニ交付で「本籍記載なし」を選んでしまうと取り直しになります。法人の場合は、定款・登記事項証明書に加えて役員全員分の書類が必要で、遠方に住む役員がいると郵送のやり取りだけで1〜2週間かかることもあります。

③所轄警察署へ提出

届出書は、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する警察署の生活安全課(保安係)に持参して提出します。ここで強く推奨したいのが事前の電話確認です。理由は3つあります。

  • 担当者が常時いるとは限らない:生活安全課の担当者は外勤に出ていることがあり、アポなしで行くと出直しになります
  • 追加資料を指定されることがある:法定の添付書類のほかに、事務所の使用権原を示す資料(賃貸借契約書の写しなど)やサイト構成資料の追加を求められる運用があります
  • 様式や部数の指定がある:提出部数(正副)や様式の版について、事前に確認しておくと補正が減ります

「電話で全部聞けるなら自分でやれるのでは」と思われるかもしれません。実際、時間をかければ自力でも可能です。ただ、電話口で営業の実態を説明する場面があり、ここでの説明の仕方が受理までのスムーズさを左右します。何をどう伝えるかが分からないまま連絡すると、話が長引きやすいのが実情です。

④受理と届出確認書の交付

届出書が受理されると、公安委員会に進達され、後日届出確認書が交付されます。これは「届出をした事実を確認する書面」であり、許可証ではありません。しかし実務上は極めて重要で、決済代行会社の審査、広告出稿の審査、プラットフォームとの提携審査などで提示を求められる場面があります。届出をしていない事業者が事実上ビジネスから締め出されていくのは、罰則よりもむしろこの経済的な経路によります。

⑤営業開始とその後

受理後は営業を開始できますが、届出は「出して終わり」ではありません。サイトURLの追加、事務所の移転、法人役員の変更などがあれば変更届が必要です。詳しくは後述します。

必要書類一覧と書き方

この記事の心臓部です。まず全体像を一覧で押さえてください。◯=必須/△=所轄の運用により求められることがあるという整理にしています。

書類 個人 法人 入手先 注意点
営業開始届出書 警察署・都道府県警サイト 様式の版に注意。正副の部数は所轄に確認
営業の方法を記載した書類 自作 実態と一致していることが最重要
住民票の写し 役員全員分 市区町村 本籍地記載あり・マイナンバー記載なし
誓約書(欠格事由に非該当) 役員全員分 警察署様式 署名者の確認
サイト構成・映像内容の疎明資料 自作(画面出力) 提出時点の現行サイトと一致させる
事務所の使用権原に関する資料 賃貸借契約書等 用途制限との整合に注意
定款の写し 自社控え 原本証明を付す運用あり
登記事項証明書 法務局 発行後3か月以内など期限指定あり

営業開始届出書の記載例と最大の難所

営業開始届出書に書く主な項目は次のとおりです。

  • 届出者の氏名・住所・生年月日(法人は商号・本店所在地・代表者、役員全員)
  • 営業の本拠となる事務所の名称・所在地
  • 営業開始予定日
  • 営業の方法(送信する映像の内容、課金の方法、サイトのURL)

この中で最大の難所は「営業の本拠となる事務所」の書き方です。これは単なる住所欄ではありません。その営業を実質的に統括している場所を書く欄であり、ここに何を書くかで、どの警察署の管轄になるかが決まります。

実務上、次のような論点が生じます。

ケース 考え方
自宅を事務所にする 可能。ただし賃貸物件の場合、賃貸借契約の用途制限(居住専用)との整合が問題になる。用途違反は契約解除・違約金のリスクがあり、届出とは別次元で事業を吹き飛ばす
バーチャルオフィス 実体のない住所は「営業の本拠」とは評価されにくい。郵便物の受取だけの拠点は、実質的な統括場所とは言えないため、原則として避けるべき
コワーキングスペース 専有性・継続性の有無で評価が分かれる。フリーアドレスのみの契約は厳しい
事務所が複数ある 「本拠」がどこかを実態で特定する。判断に迷う場合は事前相談が必須

屋号・サイト名・URLの書き分け

意外に間違いが多いのが、屋号(事務所の名称)・サイト名・URLの書き分けです。この3つは別物です。運営するサイトが複数ある場合、すべてのURLを記載するのが原則です。「メインサイトだけ書いておいて、サブサイトは後で足せばいい」と考える方がいますが、後から追加する場合は変更届という別の手続きが発生します。立ち上げ予定のサイトが決まっているなら、最初から漏れなく記載しておくほうが手戻りがありません。

添付書類(住民票・URL等の疎明資料)

住民票の写しは、本籍地の記載があるものが必要です。外国籍の方の場合は国籍等の記載があるものを取得します。ここは補正の定番ポイントで、マイナンバー入りの住民票を出してしまうケースと、本籍記載なしを出してしまうケースの2つが圧倒的に多い不備です。マイナンバーが記載された住民票は提出してはいけません(番号法上、提供が制限されているため受け取ってもらえません)。

送信する映像の内容やサイト構成が分かる資料は、法定の書式があるわけではなく、事業者側で作成します。実務上は次のような構成にしておくと通りが良くなります。

  • トップページの出力(URLと出力日が分かる形で印刷)
  • 年齢認証画面の出力(18歳未満の閲覧防止措置を講じていることを示す)
  • 料金・課金ページの出力(有償性・課金方式が分かる)
  • コンテンツ一覧ページの出力(送信する映像の性質が分かる)
  • サイト全体の構成図(サイトが複数ある場合は関係を図示)

ここでの注意は、提出時点の現行サイトと一致させることです。「まだ準備中で、ページは公開していない」という状態で届出をしようとすると、疎明資料が作れず止まります。開業スケジュールを組むときは、サイトを一定程度作り込んでから届出という順序を前提にしてください。

法人で届出する場合の追加書類

法人の場合は、定款の写し・登記事項証明書・役員全員分の住民票と誓約書が追加されます。役員が5人いれば、住民票も誓約書も5人分です。ここで実務的に必ず問題になるのが、定款の「目的」欄です。

定款の目的欄に何と書くか、という実務論点

目的欄に「映像送信型性風俗特殊営業」と明記すべきか。これは正解が一つに決まらない論点です。

  • 明記するメリット:所轄からの照会に対して説明が容易。事業と登記の整合性が取れる
  • 明記するデメリット:登記事項証明書は誰でも取得できるため、銀行口座の開設、賃貸物件の審査、取引先の与信審査などで不利に働く場面が現実に存在する

実務では「映像コンテンツの企画・制作・配信」といった記載で運用している例もあります。ただし、登記上の目的と実態が乖離していると見られると、それはそれで説明を求められます。事業計画・資金調達方針とセットで判断すべき事項なので、迷ったら定款変更の前に相談してください(登記後に直すと、定款変更の手間と登録免許税が別途かかります)。

よくある不備と補正

受理されずに出直しになる典型例です。ここを避けるだけで、届出にかかる時間は大きく変わります。

不備の内容 なぜ起きるか
住民票に本籍の記載がない コンビニ交付・窓口で「本籍記載」を選択し忘れる。最頻の不備
住民票にマイナンバーが記載されている 「全部記載」を選ぶと番号まで入る。受け取ってもらえず取り直し
疎明資料と現行サイトが一致しない 提出用に作った資料と、実際に公開しているページの内容・料金・URLがズレている
年齢認証が未実装のまま提出 18歳未満の閲覧防止措置は届出後の遵守事項でもあるため、未実装だと説明を求められる
事務所の実体が説明できない バーチャルオフィス・実家住所などで、実際にそこで業務を行っている実態を示せない
役員の書類が1人分足りない 非常勤役員・名前だけの役員を数え落とす
様式の版が古い ネットで拾った古い様式を使う。都道府県警の最新様式を使う

不備そのものは修正すれば済みます。問題は時間コストです。1回の補正で、書類の取り直し(1週間)+再訪(半日)+営業開始日の後ろ倒しが発生します。決済代行の審査や広告出稿のスケジュールが届出確認書の交付に紐づいている場合、この遅延がそのまま売上の機会損失になります。

提出先と管轄|東京の場合の実務

提出先は「営業の本拠となる事務所」の所在地を管轄する警察署です。窓口は生活安全課(保安係)。そこから公安委員会(東京の場合は東京都公安委員会)へ進達される、という二段構えの構造になっています。

事務所の所在地 提出先(窓口) 最終的な届出先
例:渋谷区内 渋谷警察署 生活安全課 東京都公安委員会
例:大阪市内 所在地を管轄する警察署 生活安全課 大阪府公安委員会

ここで注意したいのが、「本拠」がどこかを事業者側が特定しなければならないという点です。オフィスを構えていない個人事業者の場合、自宅=本拠になるのが通常です。すると届出情報として自宅住所を扱うことになり、プライバシーとの緊張関係が生じます。「事務所を借りてから届出をするか、自宅で届出をするか」は、コストと身バレ耐性のトレードオフとして、開業設計の段階で決めておくべき事項です。

賃貸物件を事務所にする場合、賃貸借契約の使用目的を必ず確認してください。居住専用の物件で事業を営むこと自体が契約違反になり得ますし、契約書に「風俗営業等に使用しない」旨の条項が入っていることも珍しくありません。届出が通っても、賃貸借契約で解除されれば事業は止まります。行政上の適法性と、契約上の適法性は別々に確保しなければならない——これは不動産法務の実務で最も見落とされる点です。

なお、警察署ごとに受付時間・予約要否・追加資料の指定に運用差があります。本記事の記載は東京での一般的な例であり、他県ではもちろん、東京都内でも所轄によって細部が異なることがあります。

費用と期間の目安|自分でやる場合と依頼する場合

まず前提として、届出そのものに手数料(証紙代)は原則としてかかりません。許可制の風俗営業(1号営業など)では申請手数料が発生しますが、届出制の映像送信型は構造が違います。ここは「思っていたより安い」と感じる方が多いポイントです。

費目 自分でやる場合 行政書士に依頼する場合
届出手数料 原則なし 原則なし
住民票(本籍記載) 300円前後 × 人数 同左(実費)
登記事項証明書(法人) 600円前後 同左(実費)
書類作成・収集の時間 20〜40時間程度(調査・作成・警察対応・補正を含む) ヒアリング対応の2〜3時間程度
専門家報酬 0円 {{PRICE}}(相場は5〜15万円程度)
受理までの期間 1〜2か月(補正が入ると延びる) 2週間〜1か月程度

この表の要点は時間コストです。届出は「一生に一度あるかないか」の手続きなので、自分でやる場合はゼロから調べることになります。条文を読み、様式を探し、所轄に電話し、書類を集め、補正で出直す。この一連を20〜40時間と見積もるのは、決して過大ではありません。月商が立ち始めた事業者にとって、その時間を本業に充てた場合の機会費用と、専門家報酬とを比較するのが合理的な判断だと考えています。

逆に言えば、時間に余裕があり、事務所の要件がクリアで、サイトが1つだけという単純な事案であれば、自力で十分に可能です。この記事は、そういう方が自力で完遂できる水準で書いています。依頼が必要なのは、次のようなケースです。

  • 法人で役員が複数おり、定款の目的欄の設計から判断が必要
  • サイトが複数、または今後増やす予定がある
  • 事務所の要件(自宅・バーチャルオフィス・用途制限)に不安がある
  • すでに無届で営業しており、是正の順序を含めて設計したい
  • 決済審査・提携審査のスケジュールが決まっており、遅延が許されない

当事務所の料金:{{PRICE}}(納期 {{DAYS}}/対応エリア {{AREA}}) → サービス・料金ページ

届出後の義務|変更届・年齢確認・広告規制

届出をして終わりではありません。むしろ、届出をした瞬間から風営法上の営業者としての義務が発生します。ここを理解せずに届出だけ済ませると、「届出済みなのに行政処分」という最悪の形になります。

変更届が必要になる事項

届出書に記載した事項に変更があったときは、変更届を提出しなければなりません。変更のあった日から10日以内(法人の登記事項証明書の添付を要する事項については20日以内)が原則です。

変更の内容 届出
サイトのURLを追加・変更した 必要
事務所を移転した 必要(管轄が変わる場合は特に注意)
氏名・住所・商号が変わった 必要
法人の役員が交代・追加になった 必要(新任役員の書類が必要)
営業の方法(課金方式等)を変更した 必要
営業をやめた 廃止届が必要

実務で最も漏れるのがサイトの追加役員の変更です。特にサイトの追加は、事業拡大の局面で「新しいドメインで1本立ち上げよう」という判断が、そのまま届出事項の変更に直結していることに気づかないまま進んでしまいます。ドメインを取る前に、変更届の要否を確認する——この習慣をつけてください。

18歳未満に関する措置

映像送信型の営業者は、18歳未満の者を客としないための措置を講じる義務を負います。サイト側の年齢認証(閲覧者の年齢確認)がこれに当たります。同時に、18歳未満の者を出演させないための体制も必要です。

混同注意:「閲覧者の年齢認証」と「出演者の年齢確認」は別物です

  • 閲覧者の年齢認証:サイトに18歳未満を入れない措置。実装方法は法的表示まとめで解説
  • 出演者の年齢確認:映像に出る人が18歳以上であることの確認と記録。実務手順は年齢確認義務の記事で解説

この2つを混同したまま「年齢確認はやっています」と説明する事業者が非常に多いのですが、規制の趣旨も、求められる証拠も、違反時の重さもまったく異なります。出演者の年齢に関する問題は、刑事・行政・決済・プラットフォームのすべてが同時に飛んでくる最も重い類型です。

広告・宣伝の規制

性風俗特殊営業には広告・宣伝の規制があります。清浄な風俗環境を害するような方法での広告が禁止されるほか、届出をしていない者がこの種の営業の広告をすることも問題になります。アフィリエイト・SNS運用・広告出稿を外部に委託している場合でも、営業者としての責任は自分に返ってくるという前提で管理体制を組む必要があります。

その他の遵守事項

  • 従業者名簿の備付け:誰が働いているかを記録・保存する
  • 名義貸しの禁止:自分の名義で他人に営業させることは禁止。「届出を持っている人に名前を借りる」は違法
  • 18歳未満の者を接客業務に従事させない

これらの義務は、罰則の対象になるだけでなく、決済代行会社やプラットフォームの審査項目と重なっています。法令遵守の実装が、そのまま決済という事業の生命線を守ることになります。この構造はクレカ決済停止の記事で詳述しています。

届出しないとどうなるか

無届で映像送信型性風俗特殊営業を営んだ場合、刑事罰の対象となります。また、刑事とは別に営業停止命令などの行政処分も存在します。刑事罰と行政処分は独立して来る、というのが風営法の建て付けです。罰則の具体的な内容と、前科が将来の許認可にどう跳ね返るかは、風営法違反の罰則一覧で整理しています。

ここで伝えたいのは、脅しではなく是正が可能であるという事実のほうです。

すでに無届で営業している場合

映像送信型は禁止区域規制がないため、店舗型と違って「該当したら適法化の道がない」という類型ではありません。要件を満たせば、今からでも届出をして適法な状態に移行できます。

ただし、是正の順序と、是正までの営業をどうするかは個別判断です。「今すぐ届出を出せばいい」と単純化できない事情(過去の営業実績の扱い、決済との関係、法人の目的登記など)があるため、無届状態を自覚している場合は、書類を作り始める前に一度整理することを勧めます。

なお、当事務所は予防法務(届出・契約・体制整備)の範囲で対応します。すでに捜査が始まっている、あるいは逮捕・立件されているという段階は弁護士の領域です。その場合は速やかに弁護士に相談してください。

よくある質問

Q1. 届出してから何日で営業を始められますか?

許可制ではなく届出制なので、「審査に通るのを待つ」制度ではありません。必要事項を記載した届出書が受理されれば営業を開始できるのが原則です。ただし実務では補正による出直しが頻繁に起きるため、書類収集から受理まで2週間〜1か月、届出確認書の交付までさらに数日〜2週間程度を見込んでおくのが現実的です。決済審査や広告出稿のスケジュールを組むときは、この期間を織り込んでください。

Q2. 海外サーバーを使えば届出は不要ですか?

不要にはなりません。届出義務は営業の本拠となる事務所がどこにあるかで考えるため、サーバーの物理的所在地は決定打になりません。→ 該当基準の詳細

Q3. 個人(法人なし)でも届出できますか?

できます。個人事業主のまま届出をすることは可能で、小規模サイトではむしろ一般的です。個人の場合は本籍地記載の住民票と誓約書が中心となり、法人のように定款・登記事項証明書・役員全員分の書類を揃える必要がない分、負担は軽くなります。将来的な法人化を考えている場合は、法人化のタイミングで届出をやり直す必要が生じる点だけ念頭に置いてください。

Q4. 届出したことは公開されますか?身バレしませんか?

届出をした事業者の一覧が一般公開される制度にはなっていません。ただし、これとサイト上の表示義務は別問題です。有料販売を行う場合、特定商取引法に基づく表記として氏名・住所の表示が必要になる場面があります。「届出をしたから身バレする」のではなく、「有料販売をするから表示義務が生じる」という整理です。表示の全体像は法的表示一覧を参照してください。

Q5. モザイクをかけていれば届出は不要ですか?

不要にはなりません。モザイクの有無は刑法175条(わいせつ性)、届出の要否は風営法(営業の形態)——規制のレイヤーが違います。→ わいせつ罪の基準

まとめ

  • 映像送信型性風俗特殊営業は許可ではなく届出。禁止区域規制がないため、要件を満たせば適法に営業できる
  • 提出先は営業の本拠となる事務所を管轄する警察署(生活安全課)経由で公安委員会
  • 最大の難所は「営業の本拠となる事務所」の設定住民票の取り方。補正の大半はここで起きる
  • 届出手数料は原則不要。コストの実体は時間
  • 届出後も変更届・年齢確認・広告規制の義務が続く。出して終わりではない

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の事案について適法性を保証するものではありません。警察の運用には地域差・時期差があります。実際の届出にあたっては、必ず所轄警察署または専門家にご確認ください。